輸入住宅の魅力

芸術品と言える高い装飾性が魅力の「アール・ヌーボー」

アール・ヌーボーという言葉を耳にすることがありますが、その言葉の意味を正確に理解している人は意外と多くないようです。そこで「知っているようで知らない用語や様式」をピックアップし、解説していこうと思います。今回は、冒頭の言葉通り、「アール・ヌーボー」です。

アール・ヌーボーとは、19世紀末から20世紀初頭にかけてヨーロッパを中心に花開いた美術運動のこと。その言葉は、「新しい芸術」を意味します。花や植物、昆虫をモチーフに、または自由曲線の組み合わせによる従来の様式にとらわれない装飾性が特徴となっています。建築や工芸、絵画など多岐にわたる分野で盛んに用いられ、鉄やガラスといった当時の新素材が積極的に利用されました。アール・ヌーボーは20世紀初頭以降、一気に人気が衰え、美術史上もほとんど顧みられなくなります。しかし、1960年代にアメリカでリバイバル運動がおこり、再評価されました。

タッセル邸

1893年にブリュッセルに建てられたタッセル邸

ブリュッセルやリガの歴史地区におけるアール・ヌーボー建築は、世界遺産に登録されています。アール・ヌーボー様式の最初の建物とされているのは、1893年にブリュッセルに建てられたタッセル邸(ヴィクトール・オルタ設計)だそうです。写真を見てもお分かりのように、装飾性の高さに目を見張ります。輸入住宅を愛する人の中で、こういった建物に魅力を感じる人も少なくないのでは。多面形の窓の設えやアイアン・窓に施された装飾など、どの部分も凝った作りで、まさに芸術作品と言っても過言ではないでしょう。写真はありませんが、室内も見事のひと言です。

アール・ヌーボーは、前述のように建築だけではなく、家具や工芸品などの分野にも広がりました。エミール・ガレやルイ・マジョレル、ルネ・ラリック、アルフォンス・ミュシャといった名前を聞いたことがあるかと思いますが、家具や調度品、宝飾、絵画などの世界で、今もアール・ヌーボーの作品は人気を集めています。確かにオリジナルは高根の花ではありますが、たとえレプリカ品であってもそういった逸品を飾るだけで空間の上品さが一気に増します。装飾性の高いヨーロッパのデザインを好む方なら、ぜひアール・ヌーボーをさらに深堀してみてください。きっとあなたの琴線に触れるデザイン、建築、工芸品などに出会えるはずです。