アメリカンハウスの様々な建築様式

コロニアル様式

アーリーコロニアル様式
一般的にコロニアル様式の名にスパニッシュ、ダッチ、フレンチのいずれの名も付いていない場合は、イングリッシュ(英国風)・コロニアル様式を指しています。アメリカ北部では、英国が圧倒的に多かったため、イングリッシュ・コロニアルを単純にコロニアル様式と呼ぶようになりました。

17世紀に米国の北部および南部の英国領アメリカに建設された住宅は、非対称形、急勾配の屋根と切妻を崩した後期チューダー様式とジャコビニアン様式でした。石炭がチューダー王朝に熱源として広く利用されるようになり、住まいにおいても煙突棚と結び付けられた暖炉が開発されます。この煙突棚は後期チューダー様式の住宅にとって重要な装飾となり、アメリカで建設されるようになったアーリー(初期)・コロニアル様式の主要な要素となりました。

当時、窓はとても高価なもので、ガラス板は小さく、教会のステンドグラスの窓に見られるようなダイヤモンド型の鉛の枠でつながれたケースメント窓が組み込まれています。高価ゆえに外壁のわずかな部分にしか使用されませんでした。鉛枠を用いた窓は18世紀初期には上げ下げ窓(ダブルハング)、木製サッシ窓に置き換えられていきます。

 

アーリー(初期)・ニューイングランド・コロニアル様式(1640~1715年)

アーリー(初期)・ニューイングランドのハーフティンバー住宅は、木製の下見板(クラップボード)を傾斜させて張り合わせた外壁でつくられました。森林資源の豊富なニューイングランドでは、木製サイディングが顕著な材料の一つとなり、初期コロニアル住宅の基本的な構成要素となっています。11

箱型の外観、棟中央部に煙突のある2階建てで、連続空間となっており、一室の奥行きが深いのが特長です。ジェティ(2階床張り出し)があり、そこに吊り上げ飾り(ドロップ)が設けられることが多いようです。外壁は、下見版またはシングル張り。小さなガラスを鉛でつないだガラス板を用いたケースメント・ウィンドウを採用しています。急勾配の切妻屋根で、庇の出はほとんどありません。玄関扉は縦板張りとなっています。

 

 

 

アーリー・サザン(初期南部)コロニアル様式(1640~1715年)

バージニア州やメリーランド州で建てられた住宅は、米国の南部の土地からつくられた煉瓦を重要な建材として用いています。切妻屋根が十字に交差する平面図は、アーリー・コロニアル様式住宅の典型的なもので、ダイヤモンド型のガラスを鉛でつないだ窓が標準的であり、煙突は妻端に設置。通常、上階部分の煙突は、住宅本体と数インチ離して設けられました。これは寒い季節に熱を逃げにくくするために中央煙突方式を用いたニューイングランド様式とは異なり、温暖な地域特性を表したもの。暖炉は物理的には必要ではありませんが、豊かさのデザインとして、ヨーロッパの歴史を暮らしに持ち込む形として採り入れられています。13現在も、アメリカ南部では室内に冷房をかけながら、暖炉の火が燃えている生活スタイルを見ることができます。

住棟の端部に煙突のある煉瓦造または木造となっており、住空間は連続(オープンプランニング)で奥行きが広く設計されています。急勾配の切妻屋根で、玄関部分は切妻壁が立ち上がっています。ケースメント・ウィンドウは小さなガラスが鉛でつながれており、軒庇の蛇腹には、デェンティル(歯型装飾)の化粧繰型が回っています。