アメリカンハウスの様々な建築様式

ジョージアン様式

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17世紀半ば頃(ロンドン大火以降)、英国でルネッサンス様式が広く普及し、1714年に即位したジョージ王朝時代にも踏襲されたことから、ジョージアン様式と呼ばれるようになりました。左右が対称形のデザインが特長で、王侯や貴族が中心的役割を担った時代であったことから、ジョージアン様式には威厳があり、貴族趣味の人々に高い人気と満足を与えてきました。

 

ニューイングランド(1715~1780年)

ニューイングランドでは、腰折れ屋根(ギャムブレル)、切妻屋根(ゲーブル)、寄棟屋根(ヒップ)のいずれかが用いられ、ドーマー・ウィンドウと化粧手すりが屋根に設けられた対称形平面・立面が特長です。美しく均整のとれたペディメンと(妻側屋根下部と水平材に囲まれた三角形の部分)エンタブラチャー(化粧桁)によって装飾された壁付け柱と柱頭で惹き立てられた特長のあるパネル・ドアを持ち、一般的にはドアの上部には矩形または半円形の採光窓(トランザムライト:欄間窓)が取り付けられています。

窓は、伝統的な上框上の装飾ジョージアン様式ニューイングランド(クラウン・モールディング)や軒飾(コーニス)のついた装飾が施された桁飾(アーキトレイブ)と柱頭によって、その周囲が飾られています。軒は、軒裏(ソフィット)の軒蛇腹(モディリオン)のついた伝統的な軒飾(コーニス)を持っており、その上側の窓は通常、軒の直下に取り付けられています。ダブルハング・ウィンドウは縦長で、6~12枚の小さなガラスで構成されたサッシとなっています。ルーバー(羽板)でつくられたブラインド(日除け)やシャッター(鎧戸)は、18世紀後半に導入され、おそらく南部地方から持ち込まれたものと考えられています。また、玄関ポーチが付けられるようになったのは、独立戦争後だと言われています。

 

中部大西洋岸地域(1715~1780年)

ニューイングランドとは違い、この地域では石材が一般的に使用される建材でした。そのため、この地域でのジョージアン様式がどこか重厚なのは、おそらく石のどっしりとした質感から来るものだと言えるでしょう。水平材であるコロナ(軒垂幕板)のある完結型ペディメントでできた切妻は、切妻壁を横切ってつくられました。その軒飾(コーニス)は、軒蛇腹(モディリオン)と軒蛇腹の歯型装飾(デェンティル)で、高度に装飾されています。

住宅棟内部に煙突があり、屋根にはドーマー・ウィンドウがあります。ジョージアン様式玄関部分にはペディメントが設けられ、壁付柱によって飾られています。ダブルハング・ウィンドウには鎧戸が取り付けられ、パラディアン窓が中央に採り入れられていますが、鎧戸型のルーバーブラインドはかなり後の時代になってからで、上階部分の窓だけに取り付けられました。現在でも、フィラデルフィア周辺では、下階部分では白いシャッターが、上階部分には暗い緑色のルーバーブラインドが取り付けられているのが見られます。またペンシルベニアの住宅では、上部の壁から固定したり、吊るしたりする付属の屋根ともいえるペント(差し掛け屋根)が設けられています。

 

南部地域(1715~1780年)

ジョージアン様式南部地域における最も一般的な建材は煉瓦で、サウス・コロニアル・ジョージアン様式のほとんどが煉瓦でつくられています。英国の典型的な住宅に見られるように、窓ガラスは小さく、マンチン(桟)は少なくとも1インチ厚で、窓外部の額縁(ケーシング)はいくぶん細めとなっています。この住まいの主な装飾要素は、軒蛇腹で豪華につくられた伝統的なコーニス、軒や巧みに均衡をとったトランザムを採り入れたペディメントのある玄関といえるでしょう。対称形の立面に急勾配の寄棟屋根、住棟の両端部に煙突が配されています。屋根にはドーマー・ウィンドウが対象に取り付けられていますが、鎧戸はありません。