アメリカンハウスの様々な建築様式

スティック様式

スイス・コテージ様式やイタリアネイト様式は、ヨーロッパにおいて大変な人気を博し、これらが初期のピクチャレスク様式と呼ばれるものです。しかし、やがてアメリカの設計者たちは、新しい様式の創造を図ります。それらは形態を複合化し、構造上の創作的表現から導き出される意匠が特徴でした。1856年、ヘンリー・W・クリーブランドは、著書「ビレッジ・アンド・ファーム・コテージ」の中で、スティック様式について「新しい様式の強さと性質は、その構成部材を構造体の表面に出して表現する」と述べています。ちなみにスティック様式という名は、このような様式が誕生して100年後に、イエール大学の教授が命名したものだそうです。

スティック様式(1855~1875年)

スティック様式の基本形は、木製の長い板を垂直、水平、時には対角線に図形化したもので、それらは下見板張り仕上げの下にある構造軸組がどのようなものであるかを示すデザインでもあります。切妻屋根が十字に交差し、玄関は袖棟の妻入りとなっています。建物を単位壁突間ごとに板材(スティック)で囲い(板を構造的に固定する)、切妻屋根は庇が突き出していて、破風飾りが装飾的であるのが特徴です。また、玄関部分を含んでバルコニーが取り囲み、腕木が意匠になっています。
1855年からの20年間、この様式は教会建築に人気のある様式として数多く採用されました。1863年に建設されたロードアイランド州のグリスウォルド邸が、スティック様式で建てられた最も有名な建築だといわれています。